ぽんぽんだより

愛知県長久手市での日常を綴っています。また、2021年7月 帝王切開瘢痕症候群と診断されました。その治療の過程も発信します。

帝王切開瘢痕症候群 再縫合手術②

術後の痛みは、帝王切開の開腹と比べたら微々たるものでした。

わたしは導尿の管がとても苦手で(得意な人はいないと思いますが)、それさえ外れてくれたら格段に快適になるのに!と思い、早く歩きたいと看護師さんに伝えていました。

腹腔鏡を挿した部分の痛みは大したことなかったのですが、腹腔鏡手術後にありがちという首から肩にかけての痛みはなかなか不快でした。手術の際にお腹に入れた空気が上がってきて肩や首を通じて出ていくそうで、その空気による痛みなのだそうです。温めたら多少はよくなるかもとのことで、看護師さんが湯たんぽを用意してくれました。手でさすったり軽く肩を回したりするだけでも一時的には痛みが引きました。

昨年の夏はまだ面会もできなかったので、ただただ病室で映画を観たり本を読んだり、たまに娘とビデオ通話をしたりして過ごしました。のんびりできるのはよかったのですが、特に何もしていないせいか夜はなかなか寝つけませんでした。また、退院の前日夜くらいまで微熱が続いていたのでそれが心配でした。出血は2〜3日で止まりました。

 

退院の前日に主治医の診察があり、術後の生活についての指導がありました。

お腹は切っていないけれど子宮を縫っているので、基本的には帝王切開の後と同じと考えてほしい、ということでした。

この手術の後の避妊期間については、まだ術例自体が非常に少ないのではっきり言うことはできない。帝王切開の後と同じと考えると短くとも半年、余裕があれば一年は避妊してほしいけれど、帝王切開の後すぐに妊娠する人もいるし、そもそもこの手術をしている人は若い人が少ないので半年以上避妊を強いるのは難しいところもあるというお話をされました。

そこで先生が設定した避妊期間は4ヶ月くらい。3ヶ月後に術後の検診をするのでそこまでは待ってほしいけれど、その後は半年も4ヶ月もまあ誤差の範囲だから、とのことでした。

 

退院の日には出血も止まり、熱は平熱よりも少し高いままでしたが発熱というほどでもなく、体調も良好でした。腹腔鏡手術は回復が早いと、聞いていた通りだなと思いました。

 

さて、手術については以上なのですが、術後最初の月経にはかなり大きな変化がありました。

それまで3日ほどでパタっと経血が止まり、2日ほど置いてからまた始まる少量の出血が10日くらい続くという月経だったのが、5日ほどちゃんと出血してきっぱりと終わったんです。

これは本当に嬉しかったです。再縫合手術をしたとて妊娠できるかどうかはわからないし、そもそも症状の軽減自体どれくらい見込めるか個人差もあると言われていました。不正出血にしろ不妊にしろ、原因は必ずしも帝王切開の瘢痕だけではないかもしれないですし、一度開いた傷は縫ってもまた開いてくるかもしれないからです。

実際、排卵期の出血はやはり瘢痕だけが原因ではなかったようで、量は減りましたが術後にもありました。それもあって、生理が普通に終わったのには本当に感激してしまいました。

 

正直なところ、この術前術後期間で娘も成長し、小学校受験があったりピアノのコンクールがあったり、ひとりっ子で充分ではないかという気持ちも大きくなっていました。もうひとり子供がいたとして、同じだけの経験をさせられるのかという問題もあるためです。受験にしろピアノにしろ、娘はやる気があったからやらせたに過ぎず、次の子に必ずやらせなければならないものでもないのですが…。

次の妊娠が叶わなかったとしても、これまで5年ほど不快に思ってきた不正出血が治癒したことはわたしの人生においてとても大きな改善点です。生理の期間も含めると1ヶ月の半分以上出血に見舞われていたのですから。

 

今回、帝王切開瘢痕症候群の手術が保険適用になったのは金銭的にも助かりましたが、一方で、不妊治療の枠内で保険適用になったというのが腑に落ちません。

この手術をすることで明確に改善するのは、不妊ではなくて不正出血です。不正出血をはじめとして、月経にまつわる不快症状がどうしてこんなに軽んじられるのかが理解できません。わたしが住んでいる地域にある婦人科で保険適用の低用量ピルを処方してくれるお医者さんはいません。低用量ピルにも副作用ですとか色々あるのはわかりますが、月経にまつわる不快症状への対処として低用量ピルも候補に挙げられるのであれば、きちんと治療薬として処方されるべきだと思うんです。

帝王切開瘢痕症候群による不正出血も、最初の2ヶ月ほどはピルでも止まりませんでしたが、服用し続けていればだんだん止まってきました。わたしの主治医の先生は、ピル飲んでる間は止まるかもしれないけど根本解決にはならないよ、とのことで、帝王切開瘢痕症候群の治療のためではなく不正出血を主訴とする月経困難症の治療として処方してくださいました。

先生によれば、不妊治療が保険適用になるタイミングで有志の先生方が帝王切開瘢痕症候群の手術をねじ込もうという動きがあったそうで、おそらくきちんと勉強されている先生方は本来この枠では無いはずだとわかっているんだと思います。保険適用になったことは何よりなので、それについては何の不満もありません。でも、月経にまつわる不快症状はもっと治療対象として拡がってほしいと強く思っています。